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映画『インスタント沼』（三木聡, 2009.05.23）を観ました．

「有り得ない物事なんて認めない」と断言っていた一人の女性が，
「価値観の交差点」である骨董品の世界に惹かれていく様を描く．

目の前の物が「宝」か「屑」かを決めるのは，その人が過ごしてきた時間．
他者には見えない「妙」な価値観を感じあえた時，そこに幸せが生まれる．

水道の蛇口をひねるだけで，何ともならない日常が変わって見えたりする．
嘘と意地と見栄だらけの世の中だけど，通じあえる瞬間は確かに存在する．

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映画『ヒミズ』（園子温, 2011.09.06）を観ました．

ごく普通な生活を夢見ている二人の孤独な少年少女が，
普通ではない大人達に囲まれてもがく様を描いた映画．

崩壊した家族内で繰り返し「要らない」と死を懇願される．
自分の存在が分からず，空間や人間を言葉と暴力で満たす．
絶望は，どれだけ叫んでも，どれだけ暴れても，消えない．

絶望すると，自殺のイメージが脳中に鮮明に浮かんでくる．
そんな時はひとまず目を瞑って上手くやり過ごすしかない．

時間が出会いときっかけを運んでくれる．逃さないように，
来たるべきその日まで，意識は絶やさず，ただ静かに待つ．

原作の漫画『ヒミズ』4巻についてはこちらです．